DXとは何か|専門用語をできるだけ使わず伝えてみた
近年耳にするようになった “DX” という言葉。「デジタルトランスフォーメーション」の略のことで、なぜトランスフォーメーションがXなの?というところから謎です。
英語圏ではトランスをXと省略する文化があるためとのことで、D2Cとかそういった省略の仕方と似ていますね。
トランスという言葉に「~を横断する」という意味があり、同義語の「Cross」を省略する際に使用されるXがトランスにも使用されるようになったそうです。
省略の意味はさておき、今回はDXって何?をできるだけ嚙み砕いてお伝えしようと思います。
DXの意味は?と聞いて
「デジタルを活用したビジネスの変革だよ」「ふ~んなるほどね、つまりどういうこと?」
という会話を聞き飽きた方はぜひご一読ください。
DXは何を指す?
まずおさえておきたいのは、”DX” という言葉は「概念」だということ。
たとえば、日本語の「もったいない」という言葉も、日本独自の概念として有名ですよね。”無駄になってしまう” ことに対して ”有効に使おうよ” という気持ちや行動への促しに使われる言葉として「もったいない」と一言であらわしています。
少し話がズレてしまいましたが、DXが何か、理解するための第一歩として、どのようなカテゴリーの言葉であるかおさえましょう。
元々DXという言葉自体はビジネスだけで使用されていた言葉ではありません。「IT(デジタル技術)の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」を意味しています。
そこからビジネスへ使われるようになり、いまの「ビジネス環境の激しい変化に対応するため、デジタル・テクノロジーによって自分たちの競争環境 、ビジネス・モデル、組織や体制を再定義する。それによって企業の文化や体質を変革すること」という意味へと変化しました。
これだけ聞いても「まあなんとなく分かるけど・・・」となりませんか?
それではいまの定義を分解してみます。
DX(概念)を分解してみた
DXという概念を構成する、一連の流れを書き出します。
①デジタル・情報技術が進歩し、活用する
②効率化・生産性向上につながる
③人的リソースを今までと異なる業務に割くことが可能になる
④新しいサービス(価値)の提供にリソースを割くことで競合への優位性がうまれたり、ビジネス変革が起る
⑤サービス提供の形、顧客の求めることが変わる(業界のルールが変わる)
定義の一文を分解しただけですが、理解の手助けになるでしょうか。
この一連の流れを含み「新たな価値を提供する事業づくり」を総じてDXと概念づけています。
DXを実現する3つのステップ
いま述べたのはあくまで概念。DXを実現する行動に落とし込むと、以下3つのステップを経ることになるといわれています。
①デジタイゼーション(アナログデータからデジタルデータへ変換する)
②デジタライゼーション(業務や実際の作業、開発フローなどのデジタル化(効率・自動化))
③デジタルトランスフォーメーション(上記2つを経て、ビジネスの変革を進める)
図で説明するとこのような感じです。
リソースには限りがあります。新しい技術をうまく取り入れて、いかに限られたリソースで他社より優位性をもつか、良い生活を求める人々のニーズへ答えるかということです。
とはいえ抜本的改革にはコストがかかる
DXの話を聞いていると、意識の高い遠い世界の話に聞こえることもあります。
大抵の場合、基幹システムが古く変えなければと思いつつも、現場の混乱と金銭的コストを考えるとすぐに推進していくのは困難です。
まずはデジタイゼーション(アナログ(物理)データをデジタルデータへ)だったり、一部分を自動化することから取り組むのはいかがでしょうか。